11.18 TUE

『セグメンツ: 音楽と時間』

木下和重(音楽家/ヴァイオリン奏者)
ゲスト:坂本拓也(プロジェクター/オブジェ)

セグメンツの対象は、実験音楽である。
その作品や演奏が従来の音楽理論や価値判断に基づいていない以上、
聴き手にとっても、それらの理解や鑑賞は必然的に従来とは異なる方法が要請されるべきである。
セグメンツは、具体的な聴取アプローチ(聴き方)を提案することで、聴き手独自の理解や解釈を促す。
セグメンツという聴き方のチャンネルを通過することで、
そこから独自の意味を生成したり、イマジネーションを働かせたりと、
より充実した音楽ライフをエンジョイしてもらいたいという願いである。
そこでセグメンツが焦点を当てるのは、「時間」である。

この講座では、時間を巡る身近な疑問から哲学的・芸術的な問題を導入にして、セグメンツ的時間構造の解説、坂本拓也氏によるパフォーマンス、そして参加される皆さんと、簡単ではありますが実際に体を動かしてセグメンツを体験してもらいます。準備する物は何もいりませんので、お気軽にご参加ください。

(木下和重)

時間 18:00–20:00
場所 武蔵野美術大学9号館 3-306C(タスクルームRed)


木下和重 Kazushige KINOSHITA

音楽家/ヴァイオリン奏者/レーベル「tenseless music」主宰
細馬宏通 率いる「かえる目」では歌も披露

1970年、神戸に生まれる。1995年に内橋和久氏主宰のワークショップNEW MUSIC ACTIONに参加、即興演奏を中心としたライブ活動を開始。また、関西学院大学大学院にて音楽美学を専攻。

ヴァイオリンそれ自体から発せられる現象としての音に着目し、圧力や摩擦という身体行為との対話によって生まれる音を時間上へ布置させる即興演奏を特徴とする。

木下が提唱するセグメンツとは、ジョン・ケージの構造論を基盤としており、鑑賞者が従来のフォーマットとは異なる音楽/アートを理解、そして解釈を可能にさせるためのコンセプト/装置のこと。佐々木敦氏の著作『「4分33秒」論』において、ジョン・ケージ作『4分33秒』以降の実践としてセグメンツが紹介される。

《セグメンツ関連CD》
『segments』木下和重, slubmusic, SMCD 12
sediments』Segments String Quartet, tenseless music, TLM-002

《関連HP》
tenseless music
木下和重 BLOG


坂本拓也 Takuya SAKAMOTO

様々なオブジェを使った“謎の作業”等のパフォーマンスを行う。自身の図文解読バンド “information”、中野静佳とのネオニューエイジユニット “Göbekli Tepe”、進揚一郎との光の明滅とドラムのDUO “不可視”、木下和重のパフォーマンスユニット “GENESis” 等に参加。